練鐔というのは、鎌倉時代の革包太刀などに用いられた木瓜形や丸形の革鐔の一種で、叩きしめた牛の革を数枚張り合わせて形を作り、表面に漆を塗り施して仕上げたものであり、耳に覆輪を施す場合が多いです。板鐔というのは、板のように平坦に仕立てた鐔のことで、刀匠鐔がその例になりますね。合わせ鍛鐔というのは、微妙に質の異なる鉄地を合わせて鍛えたもので、そうして層状の肌目を鮮明にさせたものであり、江戸時代後期の甲冑師鐔や刀匠鐔に多いです。
透鐔というのは、主に鉄地で、文様や主題を陰陽に意匠しているもので、地面の多くを透かし去って、図柄を表現している鐔だです。京透鐔・尾張鐔などがあります。陰透というのは、鍔の装飾に用いられる透かし表現の一つで、主題の図柄を陰に表し、透かしのみで表現をしている手法となります。
小透というのは、透かしによって鍔を装飾する技法で、文様を簡素な陰影で表して、ごく小さく透かしたものであり、甲冑師や刀匠鍔などに施された透かしなどがあります。地透かしというのは、透かしによる鍔の装飾技法のひとつです。図柄の周囲を透かし抜いて主題が浮かび上がるように表現をした陽透と図柄の部分を透かし抜いた陰透とがあります。
糸透というのは、透かし部分が細糸を想わせるような線状のものをいいます。円窓透というのは、鐔の内側に大きな図形の透かしを施して人物や風景を陽に残して絵画風に表現する技法です。猪目透というのは、イノシシの目に似ているところから呼ばれるようになったのだとか。ハートに似た模様で、太刀鐔の四方に施されるなどのケースがあったようです。